会議・打合せは、どのような組織・業種であっても、日々の業務の一定量を占めています。
コロナ禍によりオンライン会議も当たり前になりつつあります。
一方で、「とりあえず会議」という姿勢は、コロナ禍以前であれコロナ禍であれ、随所で見受けられるところです。
目的が明確でない「とりあえず会議」は、組織の業務の効率性に大きく影響しますので、各組織において、会議・打合せについての基本的ルールを検討することが必要になります。
以下では、オンライン時代の会議・打合せにおいて意識すべき観点、および、基本的ルール(作法)について、試論を述べるものです。
【意識すべき観点】
- 無駄な会議は出席者の時間を奪う
- 無駄の例
- 事前の準備不足、進行がスムーズでない、必要以上の空白の時間がある、雑音が入る
- 無駄の例
- 会議、打合せでなければできないことをする
- メール・チャットで足りる場合に、文字化する手間を惜しんで、会議・打合せを設定しない
- 文章と口頭では、やり取りできる情報に大きな差があるので、情報量が多くなる場合には、無理に文字化せずに、会議を設定した方がよい(特にチャットツールだと、コミュニケーションエラーが起こりやすい。)
【具体的な7つの留意点】
上記の【意識すべき観点】を踏まえて、実際の会議・打合せにおいて留意すべき事項を7つ挙げています。
組織の風土、構成員の人柄、業務の性質、各会議の目的等に応じてアレンジ頂ければと思います。
- 事前に議題を共有する
- 会議の前に参加者が目を通すことができるタイミングで情報共有する。
- 参加者に何を求めているのかも共有する。
- 具体的な発言や思考、判断を求めているのであれば、明記する。
- 議題に加えて、現在のステータスも簡単に共有しておく(会議の冒頭での口頭説明をすることを踏まえて、情報共有の範囲を決める。長いとその分、他人の時間を奪うことになる。)。
- 極力静かな環境で実施する
- 〈電話会議・オンライン会議〉
- 発言者以外は基本的にミュート(参加時にミュートになる設定が望ましい)
- 職位・年次が下の人から上の人に注意しにくいので、上の人は特に注意。
- 各コミュニケーションツールで、ノイズキャンセリング機能を備えていることもあるため、事前にマイク等の設定を確認しておく。
- 〈物理的に開催する場合〉
- 工事・消防点検等により騒音が生じるといったことがないかに留意しておく
- 〈電話会議・オンライン会議〉
- 必要なメンバーだけを参加させる
- 念の為に参加させるのは、当該者の時間を奪うことに繋がる。議事録等の共有で足りるかどうかを確認する。
- 議題を分けて、部分的に参加してもらうという進行もあり得る。
- 会議中の内職は極力控える
- 〈クライアントとの会議〉
- 極力、クライアントの方を見て会議に参加する(どうしても別のメール、チャットをしなければいけない場合でも、クライアントへの気配りが必要)
- 〈内部的な会議〉
- 参加者の裁量によるところが大きいが、他の作業をしていて、会議の内容を聞いていませんでした、となると、他の参加者の時間を奪うことになるので注意
- また、内職をしても差支えないということになると、そもそも当該者は参加必須ではなかったということもあり得る。
- 〈クライアントとの会議〉
- 共有する資料等を事前に準備する
- 〈オンライン会議〉
- 画面共有する資料を事前に開いておく
- 画面共有すべきでない資料は極力閉じておく
- 〈物理的に開催する会議〉
- (ここは参加者の属性次第。)参加者の人数に応じて、必要部数を刷っておく。予備分も刷っておくのがベター(使わなかった場合は、環境への配慮も込めて裏書等で活用(ただし、情報流出には注意。))
- 〈オンライン会議〉
- 過不足のない発言を心掛ける
- 発言の要否は議題との関係で決まる。
- 存在感を示すための発言は基本的に無意味。発言する前に、議題との関係で当該発言が本当に必要かを吟味する。
- 議題にとって必要のない発言は、他の参加者の時間を奪うことになる(関係構築のための雑談等は別。)。
- 参加者は、当該会議に必要なメンバーとして招集されているので、当事者意識を持つ。他の人が喋ってくれているから、うわの空というのはNG。
- 発言の要否は議題との関係で決まる。
- 会議後には簡単な議事録を共有する
- 事前に共有した議題に対応する形で、議事録を残しておく。
- 議論の概要、会議での判断、継続的な検討事項、会議後の具体的なアクション等を記載しておく
- 必要な視点は、具体的なアクションに繋がること
- 逐語的な議事録は基本的に不要(ただし、事後的な紛争予防の観点から意識的に詳細を記載することはある。)。
- 事前に共有した議題に対応する形で、議事録を残しておく。